【読書記録】女性同士の人間関係をテーマにしたおすすめ小説5選。柚木麻子「Butter」ほか

女性同士の人間関係をテーマにしたおすすめ小説5選 読書記録

「女性同士の人間関係」をテーマにしたおすすめ小説をまとめます。
読む楽しみを損なうようなネタバレはありません。

親しい友達におすすめするテンションで好き勝手言っていますので、
個人の感想として参考にしていただけると幸いです。

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本選びの基準

うにの本選びの基準は以下です。

・本屋さんで目立つところに置いてある本
・好きな作家さんの本
・テーマに興味がある本
・表紙やタイトルが気になった本
・文庫化されている本

Kindle Unlimitedを契約しているので、その対象本から選ぶことも多いです。
小説は入れ替わりが激しいので、気づいたら対象外になっていることもありますが…

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うに
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意識していなかったのですが、今回は柚木麻子さん祭りです!

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女性同士の人間関係をテーマにしたおすすめ小説5選

「ナイルパーチの女子会」柚木麻子

「心がえぐられすぎてつらい」 第二十八回山本周五郎賞&第三回高校生直木賞を受賞! 友情とは何かを描いた問題作。 商社で働く志村栄利子は愛読していた主婦ブロガーの丸尾翔子と出会い意気投合。 だが他人との距離感をうまくつかめない彼女をやがて翔子は拒否。 執着する栄利子は悩みを相談した同僚の男と寝たことが婚約者の派遣女子・高杉真織にばれ、とんでもない約束をさせられてしまう。 一方、翔子も実家に問題を抱え――。(出版書誌データベースより)

女性同士の人間関係の「ドロドロ感」がこれでもかと詰め込まれた作品といえば真っ先にこれ。大好きな柚木麻子さんの本であることと表紙の爽やかさに惹かれて購入したのですが、内容のギャップたるや…!栄利子と翔子の関係が壊れだしたあたり(あっという間)から終盤までずっと「ヒエッ…」という感じの怖さで、「読むのがつらい!」と「先が気になる!」の綱引き状態でした。登場人物はなかなかに思考回路がぶっ飛んでいて(特に栄利子!)基本的にはぜんぜん感情移入できないのですが、所々で身に覚えがあるような悪意やエゴを感じられてヒリヒリしました。所見では可愛い感じの印象だった「ナイルパーチの女子会」というタイトルが、読了後に全然違う印象になる点が好きです。

女性同士の人間関係ドロドロ度:★★★★★
読了後の爽快度:★★★☆☆
また読み直したい度:★☆☆☆☆

「雨の塔」宮木あや子

美しい少女たちの孤独と秘密。
資産家の娘だけが入れる全寮制の女子大に「捨てられた」4人。世間から隔絶され孤独が深まる中、互いに意識し惹かれあうように──。この上なく繊細で切ない少女たちの物語。(出版書誌データベースより)

唯一無二な空気感が大好きな小説です。舞台は陸の孤島にある全寮制の学校、そこで暮らす4人の少女たち。衣類や食べ物など欲しいものはなんでも手に入るのに、外の情報だけが手に入らない(この設定がもう好き)。止まない雨に包まれる塔、閉塞感、気だるい雰囲気の中で展開される4人の人間関係の話です。終始抑圧された淡々とした文体で、その中で登場人物たちそれぞれが持つ刹那的な甘やかさ、不安定さが浮き沈みします。劇的な展開を煽ることもなく、強いメッセージ性も感じられないストーリー展開なので「人によっては退屈と感じるかも…」という印象なのですが、ふと綺麗なものに触れたくなったときに読み返してしまう一冊です。

耽美な雰囲気に脳が溶ける度:★★★★★
読了後の爽快度:★★☆☆☆
また読み直したい度:★★★★★

「Butter」柚木麻子

男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子。若くも美しくもない彼女がなぜ──。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳にあることを命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。各紙誌絶賛の社会派長編。(出版書誌データベースより)

これは最初から最後までノンストップで面白かったな~と思える一冊!実際にあった事件をベースにした作品です。梶井真奈子という人間、梶井との関わりに伴ってだんだん変化していく主人公:里佳、親友の伶子の知らなかった一面。盛りだくさんなのですが登場人物の人間性や背景に何かしら納得感があり、「物語を成立させるために登場人物を動かしている」という無理が感じられないところがすごい。それぞれが抱える「この社会で女性として生きる」窮屈感には非常に共感できる部分が多かったです。さらに事件と同じくらい魅力的なのが食べ物の描写!読んだらもれなく良質な油脂を摂取したくなってしまうので注意です(?)。

物語の重厚度:★★★★★
読了後の満足度:★★★★★
また読み直したい度:★★★★★

「本屋さんのダイアナ」柚木麻子

私の名は、大穴(ダイアナ)。おかしな名前も、キャバクラ勤めの母が染めた金髪も、はしばみ色の瞳も大嫌い。けれど、小学三年生で出会った彩子がそのすべてを褒めてくれた――。正反対の二人だったが、共通点は本が大好きなこと。地元の公立と名門私立、中学で離れても心はひとつと信じていたのに、思いがけない別れ道が……。少女から大人に変わる十余年を描く、最強のガール・ミーツ・ガール小説。(出版書誌データベースより)

これも柚木麻子さんの本の中で好き度が高い一冊!正反対のダイアナと彩子が小学生で出会ってから大学卒業の歳になるまでの、十数年にわたる物語です。お互いがお互いに憧れて仲良くなる小学生の2人がとてもかわいく、大好きな「赤毛のアン」がモチーフなのもときめきます。2人が早々にすれ違い、全く違う道を歩んでしまってからは「ああ~!どうして!ほら早く話し合って!」ともどかしい気持ちになってしまうのですが、それぞれが悩み、困難を乗り越えながら大人になっていく過程を夢中で追ってしまいます(特に彩子の大学生時代のエピソードは本当に胸が苦しい…)。この2人の行く先をもっともっと見ていたい!と悶えてしまう素敵な一冊です。

登場人物の魅力度:★★★★★
読了後の満足度:★★★★★
また読み直したい度:★★★★★

「笹の舟で海をわたる」角田光代

朝鮮特需に国内が沸く日々、坂井左織は矢島風美子に出会った。陰湿ないじめに苦しむ自分を、疎開先で守ってくれたと話す彼女を、しかし左織はまるで思い出せない。その後、左織は大学教師の春日温彦に嫁ぐが、あとを追うように、風美子は温彦の弟潤司と結婚し、人気料理研究家として、一躍高度成長期の寵児となっていく……。平凡を望んだある主婦の半生に、壮大な戦後日本を映す感動の長篇。(新潮社公式サイトより)

こちらはKindleUnlimitedで読みました。戦争終盤から平成までにかけて、平凡な主婦の半生を描いた一作。保守的で古風な価値観に縛られている主人公の左織と、自分の意思を持ち自由奔放な人生を生きる風美子が対照的です。左織の思考回路にイライラしてしまい、かといって左織視点で何を考えているか分からない風美子も掴みどころがなく…という感じなのですが、読んでいて違和感を感じるのもまた「今現在の間の常識が当時の常識と合っていない」というだけで、自分も左織と本質は同じなのかも。「自分は巻き込まれた側」「うまくいかないのは~のせい」というスタンスを崩さなかった左織が「自分の人生を自分で選び取る」という決断に至るところはグッとくるものがありました。

人間ドラマ度:★★★★☆
読了後の考えさせられる度:★★★★☆
また読み直したい度:★★☆☆☆

ほかにもこんな小説がおすすめ

「女性同士の人間関係をテーマにした作品」をお探しの方には以下もおすすめです。

「夜の向こうの蛹たち」近藤史恵
こちらの記事でご紹介しています。

「あのこは貴族」山内マリコ
こちらの記事でご紹介しています。

うに
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気になる小説はありましたか?よろしければ読んでみてくださいね♪

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