「演劇」や「舞台」をテーマにしたおすすめ小説をまとめます。読む楽しみを損なうようなネタバレはありません。
親しい友達におすすめするテンションで好き勝手言っていますので、
個人の感想として参考にしていただけると幸いです。
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本選びの基準
うにの本選びの基準は以下です。
Kindle Unlimitedを契約しているので、その対象本から選ぶことも多いです。
小説は入れ替わりが激しいので、読みたい本が対象であればすかさず読むのがポイントです!
漫画だと「ガラスの仮面」が大好きです!!
演劇、舞台をテーマにしたおすすめ小説5選
「ある閉ざされた雪の山荘で」東野圭吾
1度限りの大トリック!
たった1度の大トリック!劇中の殺人は真実か?
俳優志願の男女7人、殺人劇の恐怖の結末。
早春の乗鞍高原のペンションに集まったのは、オーディションに合格した男女7名。これから舞台稽古が始まる。豪雪に襲われ孤立した山荘での殺人劇だ。だが、1人また1人と現実に仲間が消えていくにつれ、彼らの間に疑惑が生まれた。はたしてこれは本当に芝居なのか?驚愕の終幕が読者を待っている!(紀伊國屋書店より)
いま本屋さんで激推しされている一冊!初めて読んだのは何年も前ですが、久しぶりに読みたくなって最近再読しました。山荘の密室で起こる事件、ドキドキしますね。ミステリーとしては「え~~そんなのあり!?」という感じであんまりハマらなかったものの、フィクションと現実の境目で翻弄されるストーリーが面白くて印象的なこの作品。個性豊かな若手役者たちが織りなす人間模様が面白いです。実写化キャストを見たときに「中条あやみさんが由梨江?ぴったり!」と思ったのですが、どうやら由梨江じゃなくて貴子役みたいです。格付けチェックも面白かったし、久しぶりに映画見に行ってみようかな。
展開に振り回される度:★★★★★
読了後の満足度:★★★☆☆
また読み返したい度:★★★☆☆
「ナラタージュ」島本理生
お願いだから私を壊して、帰れないところまで連れていって見捨てて、あなたにはそうする義務がある―大学二年の春、母校の演劇部顧問で、思いを寄せていた葉山先生から電話がかかってきた。泉はときめきと同時に、卒業前のある出来事を思い出す。後輩たちの舞台に客演を頼まれた彼女は、先生への思いを再認識する。そして彼の中にも、消せない炎がまぎれもなくあることを知った泉は―。早熟の天才少女小説家、若き日の絶唱ともいえる恋愛文学。(紀伊國屋書店より)
大学2年生の泉と高校時代の演劇部の顧問、葉山先生の関係を主軸とした恋愛小説です。恋愛を主題とした小説は安っぽく感じたり、逆に難解すぎたり…と敬遠しがちなのですが、この作品は珍しく「しっくり集中できた」小説でした。教師と生徒のいわゆる「禁断の関係」、なおかつ色々訳ありで、現実的に考えるとウッとなるポイントも多いのに、不思議とストーリーに引き込まれる感じ。文章に棘が無いからかな…?人間の弱さ、ままならなさが繊細に心に響く、切ないお話が好きな方にぜひおすすめしたい一作です。
雰囲気がいい度:★★★★★
読了後の切ない度:★★★★☆
また読み返したい度:★★★☆☆
「スペードの3」朝井リョウ
有名劇団のかつてのスター“つかさ様”のファンクラブ「ファミリア」を束ねる美知代。ところがある時、ファミリアの均衡を乱す者が現れる。つかさ様似の華やかな彼女は昔の同級生。なぜ。過去が呼び出され、思いがけない現実が押し寄せる。息詰まる今を乗り越える切り札はどこに。屈折と希望を描いた連作集。(紀伊國屋書店より)
女性だけで構成された歌劇団のスター「香北つかさ」にまつわる連作集です。この作品を読むまでは某歌劇団をとりまく文化について触れる機会がなく、とくにファンクラブの運営のお話は初めて知ることばかりでとても面白かった!読了後、実際はどんな感じなんだろう?と色々調べてしまったくらいです。お話としては朝井リョウさんらしく切れ味抜群で、人間関係におけるカーストや嫉妬や劣等感などのドロドロした感情が鮮やかに描写されています。とはいえ嫌な気持ちになるだけでなく、「他者への憧れと今の自分とのギャップ」にどう折り合いをつけるか?という課題に対して前向きなヒントをもらえる作品です。
観劇に興味が湧く度:★★★★★
読了後のスッキリ度:★★★★☆
また読み返したい度:★★★☆☆
「眠りの森」東野圭吾
美貌のバレリーナが男を殺したのは、ほんとうに正当防衛だったのか?完璧な踊りを求めて一途にけいこに励む高柳バレエ団のプリマたち。美女たちの世界に迷い込んだ男は死体になっていた。若き敏腕刑事・加賀恭一郎は浅岡未緒に魅かれ、事件の真相に肉迫する。華やかな舞台の裏の哀しいダンサーの悲恋物語。(紀伊國屋書店より)
個人的には東野圭吾さんの作品の中で上位3冊に入るくらい好きな作品です。題材はバレエ団の中で起こった殺人事件。華やかな舞台とストイックな演者たち、バレエ団という閉塞的な環境、この前提条件でしか描けないストーリー…関係者たちの思惑や行動に心を揺さぶられます。小説全体のストーリーと作中に描かれる舞台「白鳥の湖」が紐づいているのも物語に彩りを生んでおり、読んでいて楽しいです。物語は加賀刑事目線で綴られるので色目が入ってはいるのですが(!)、ヒロインの未緒が可憐で良いんですよねぇ。夢と自己実現、事件の真相究明、恋愛要素など色々な角度から楽しめる一作です。
バレエ描写にうっとりする度:★★★★★
読了後の満足度:★★★★☆
また読み返したい度:★★★★★
「男役」中山可穂
愛と運命の業を描く中山可穂版・オペラ座の怪人!トップになって二日目に舞台事故で亡くなった50年前の伝説の男役スター・扇乙矢。以後、大劇場の奈落に棲みつく宝塚の守護神ファントムさんとして語り継がれてきた。大劇場では月組トップスター如月すみれのサヨナラ公演の幕が開き、その新人公演の主役に大抜擢された永遠ひかるの前にあらわれた奇跡とは―。男役という稀有な芸への熱いオマージュを込めて中山可穂が情感豊かに描く、悲しく切ない恋愛幻想譚。(紀伊國屋書店より)
こちらは上記の「スペードの3」で宝塚に興味を持ったのをきっかけに手に取りました。ファンタジー要素も交えつつ、タイトル通り宝塚歌劇団の男役に焦点を当てた作品です。女性でありながら男性の役を演じる彼女たちの生活や抱える悩みなど、普段想像も及ばないような世界の話が新鮮で面白かった!新人公演主演の研究生「永遠ひかる」を主人公に、引退公演を迎える現トップスターや、過去に舞台の事故で亡くなった元トップスター…様々なタイプの宝塚歌劇団の男役たちが登場します。舞台から見た景色や舞台裏で起こっているあれこれ、演技への姿勢など、実際の劇場に行ってみたくなりました。
観劇に興味が湧く度:★★★★★
読了後のしみじみ度:★★★★☆
また読み返したい度:★★★★☆
よろしければ読んでみてくださいね♪
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